3.GDPから経済全体を捉える
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GDPとは何か
GDP(国内総生産)とは、一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の合計です。日本では、内閣府の国民経済計算として公表されています。
付加価値とは、生産によって新たに加えられた価値です。
例えば、パン屋が100円で仕入れた材料を使ってパンを作り、300円で販売した場合、新たに生み出された付加価値は200円と考えます。材料費とパンの販売額を両方そのまま合計すると二重計算になるため、GDPでは付加価値を集計します。
GDPの三面等価
GDPは、次の三つの側面から捉えることができます。
生産面:どれだけの付加価値が生み出されたか
分配面:賃金や企業利益などとして、どれだけ分配されたか
支出面:消費や投資などに、どれだけ支出されたか
生産された価値は、最終的に誰かの所得となり、その所得は消費や投資などに使われます。このため、生産・分配・支出から計算したGDPは、理論上等しくなります。これを「GDPの三面等価」といいます。
支出面から見たGDP
支出面からGDPを見る場合、基本的には次の要素に分けられます。
GDP = 消費 + 投資 + 政府支出 + 輸出 − 輸入
輸入を差し引くのは、消費や投資の中に海外で生産された商品が含まれているからです。GDPは「国内」で生み出された付加価値を測るため、海外で生産された部分を除く必要があります。
GDPが増えたというニュースを見たときは、全体の伸び率だけでなく、個人消費、設備投資、政府支出、輸出入など、どの項目が増減したのかを確認することが重要です。
名目GDPと実質GDP
名目GDPは、その時点の市場価格で計算したGDPです。実質GDPは、物価変動の影響を取り除いて計算したGDPです。
例えば、ある商品の生産量が変わらず、価格だけが100円から110円へ上昇したとします。
名目上の生産額:10%増加
実際の生産量:変化なし
この場合、名目GDPは増加しますが、実質GDPはほとんど増加しません。経済活動の量がどの程度変化したのかを見る場合は、実質GDPが重要になります。
一方、名目GDPは、企業の売上高、賃金、税収、債務など、実際の金額との関係を見る場合に役立ちます。
GDPを見るときの注意点
GDPは経済全体の規模や動きを捉える代表的な指標ですが、次のようなものを直接示すわけではありません。
所得や資産がどのように分配されているか
家事やボランティアなど、市場で取引されない活動の価値
自然環境や生活の満足度
個々の家計や企業の状況
GDPが増加していても、物価上昇に賃金が追いつかなければ、家計が景気回復を実感できないことがあります。GDPは重要な指標ですが、雇用、賃金、物価、消費などと組み合わせて読む必要があります。