発行体は資金を借り、投資家は資金を貸す

債券を発行して資金を調達する者を「発行体」といいます。発行体は、債券を購入した投資家に対して、定められた条件に従って利息を支払い、満期には元本を返済します。

債券に関係する基本的な用語は、次のとおりです。

  • 発行日:債券が発行される日

  • 利払日:利息が支払われる日

  • 償還日:満期となり、原則として元本が返済される日

  • 償還期間:発行日から償還日までの期間

  • 発行体:債券を発行して資金を調達する国、地方公共団体、企業など

投資家は発行体に対する債権者です。企業が発行する社債を購入しても、その企業の所有者になるわけではありません。企業の所有者としての権利を持つ株主との違いは、次の講座で学びます。

発行体によって債券の種類が分かれる

債券は、発行体などによって次のように分類されます。

  • 国債:国が発行する債券

  • 地方債:地方公共団体が発行する債券

  • 政府関係機関債:政府関係機関などが発行する債券

  • 社債:企業が発行する債券

  • 外国債券:発行体、発行場所、通貨のいずれかが海外に関係する債券

一般に、発行体の信用力が高いほど、元本や利息が約束どおり支払われる可能性は高いと考えられます。一方で、信用力が低い発行体は、投資家から資金を集めるために、相対的に高い利率を設定することがあります。

したがって、利率が高いという理由だけで有利な債券とは判断できません。利率と信用リスクを合わせて確認する必要があります。

個人向け国債の基本的な仕組み

個人向け国債は、個人が購入しやすいように設計された国債です。2026年7月現在、次の3種類があります。

  • 半年ごとに適用利率が見直される「変動10年」

  • 発行時の利率が満期まで変わらない「固定5年」

  • 発行時の利率が満期まで変わらない「固定3年」

いずれも1万円から1万円単位で購入でき、利息は半年ごとに支払われます。また、年率0.05%の最低金利が設定されています。

原則として発行から1年を経過すると中途換金できます。ただし、中途換金時には、直前2回分の各利子相当額に一定の計算をした金額が差し引かれます。購入前には、財務省「個人向け国債の商品概要」で最新の条件を確認してください。

個人向け国債も預金ではないため、預金保険制度の対象ではありません。国による元本と利息の支払いを前提とする金融商品であり、金融機関の預金とは保護の仕組みが異なります。

発行市場と流通市場を区別する

新しく発行される債券を投資家が購入する市場を「発行市場」といいます。発行済みの債券を投資家同士で売買する市場は「流通市場」といいます。

発行市場では、発行価格、利率、償還日などがあらかじめ示されます。流通市場では、その後の市場金利や発行体の信用状態などによって取引価格が変動します。

満期まで保有すれば、発行体が債務不履行に陥らない限り、原則として額面金額が償還されます。しかし、満期前に売却する場合は、その時点の市場価格で取引されるため、購入価格を下回る可能性があります。