2.利率・価格・利回りを区別する
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額面金額と表面利率から利息を考える
債券には、元本として表示される基準金額があります。これを「額面金額」といいます。満期には、原則として額面金額が償還されます。
額面金額に対して毎年支払われる利息の割合を「表面利率」または「クーポンレート」といいます。利息が支払われる債券は「利付債」と呼ばれます。
例えば、額面金額100万円、表面利率が年1%であれば、年間の利息は税引前で次のように計算します。
100万円 × 1% = 1万円
表面利率は額面金額に対する割合です。市場で実際に購入した価格に対する割合ではない点に注意が必要です。
利付債のほかに、額面金額より低い価格で発行され、原則として途中の利息を支払わず、満期に額面金額を償還する債券もあります。このような債券は「割引債」や「ゼロクーポン債」などと呼ばれます。
債券価格は額面金額と同じとは限らない
額面金額100円当たりの債券価格が100円である状態を「パー」といいます。100円を超える場合は「オーバーパー」、100円未満の場合は「アンダーパー」といいます。
例えば、額面金額100万円の債券を98万円で購入して満期まで保有し、額面金額の100万円で償還された場合、利息とは別に2万円の差額が生じます。
反対に、102万円で購入した債券が100万円で償還されれば、償還によって2万円の差損が生じます。このため、債券の収益を考えるときは、表面利率だけでなく、購入価格と償還金額の差も確認する必要があります。
利回りは投資額に対する収益の割合を表す
利回りは、投資した金額に対する収益の割合です。債券の利回りには複数の考え方があり、保有方法によって使い分けます。
FP試験で扱われる代表的な利回りは、次のとおりです。以下の計算式は、税金や手数料を考慮しない単純化したものです。
- 直接利回り
購入価格に対する年間利息の割合です。
年間利息 ÷ 購入価格 × 100
- 応募者利回り
新しく発行された債券を購入し、満期まで保有した場合の利回りです。
{年間利息+(額面金額-発行価格)÷償還年数}÷発行価格×100
- 最終利回り
すでに発行されている債券を市場で購入し、満期まで保有した場合の利回りです。
{年間利息+(額面金額-購入価格)÷残存年数}÷購入価格×100
- 所有期間利回り
債券を購入し、満期前に売却した場合の利回りです。
{年間利息+(売却価格-購入価格)÷所有年数}÷購入価格×100
利回りを比較するときは、どの利回りを示しているのか、満期まで保有する前提か、途中売却を想定しているのかを確認します。
具体例から最終利回りを計算する
額面金額100円、年間利息1円の債券を98円で購入し、残存期間2年で満期を迎えるとします。
満期までの価格差は2円です。これを2年間で均等に得ると考えると、1年当たりの価格差は1円となります。
{1円+(100円-98円)÷2年}÷98円×100
= 約2.04%
この債券の表面利率は1%ですが、98円で購入して満期に100円を受け取るため、最終利回りは約2.04%となります。
一方、年間利息だけを購入価格で割る直接利回りは、次のとおりです。
1円÷98円×100=約1.02%
同じ債券でも、直接利回りと最終利回りでは計算に含める収益が異なるため、結果も異なります。
税金や取引費用を含めて考える
実際の手取り収益は、税金や取引費用を差し引いた金額です。
国債、地方債、公募公社債などの特定公社債の利子には、原則として所得税等15.315%と住民税5%を合わせた20.315%が課税されます。申告方法や損益通算の可否は、債券の種類や取引状況によって異なります。最新の取扱いは、国税庁「公社債の利子等」などで確認してください。
債券によっては、売買手数料が明示されず、購入価格と売却価格の差である「スプレッド」に取引費用が含まれていることもあります。外貨建て債券では、為替手数料も手取り収益に影響します。