信用リスクと格付を確認する

信用リスクとは、発行体の経営状態や財政状態が悪化し、予定されていた利息や元本が支払われなくなる可能性です。元本や利息の支払いが行われない状態を「債務不履行」または「デフォルト」といいます。

信用リスクを判断する手がかりの一つが「格付」です。格付会社は、発行体や債券の信用力について、AAA、AA、Aなどの記号を用いて評価します。

一般に、BBBまたはBaa相当以上は「投資適格」、それを下回るものは「投機的格付」と呼ばれます。ただし、記号や区分は格付会社によって異なります。

格付は、元本や利息の支払いを保証するものではありません。発行後に引き下げられることもあるため、購入時だけでなく保有中も発行体の情報を確認する必要があります。

金利変動リスクと再投資リスクを区別する

金利変動リスクとは、市場金利の変化によって債券価格が変動するリスクです。特に、固定利付債を満期前に売却する場合に重要となります。

市場金利が上昇すると既発債の価格は下落しやすいため、購入価格を下回る価格で売却する可能性があります。反対に、市場金利が低下すれば、債券価格が上昇して売却益が生じることもあります。

再投資リスクとは、受け取った利息や償還金を再び運用するときに、以前より低い金利しか利用できない可能性です。市場金利が低下すると保有中の固定利付債の価格は上昇しやすくなりますが、受け取った利息や満期後の資金を同じ条件で再投資できるとは限りません。

流動性リスクと途中売却の条件を確認する

流動性リスクとは、売却したいときに買い手が見つからない、または希望する価格で売却できない可能性です。

取引量の少ない債券では、購入希望価格と売却希望価格の差が広がることがあります。急いで売却すると、大幅に低い価格での取引になる場合もあります。

債券を購入するときは、次の点を確認します。

  • どの市場や金融機関で売却できるか

  • 売却価格はどのように決まるか

  • 売却時に手数料やスプレッドが生じるか

  • 中途換金に制限があるか

  • 売却代金を受け取るまで何日かかるか

満期があることと、満期前に自由かつ有利な価格で換金できることは別の問題です。

外貨建て債券では為替変動も結果に影響する

米ドルやユーロなど、外国通貨で元本や利息を受け取る債券を「外貨建て債券」といいます。

外貨建て債券では、債券自体の価格や信用力に加えて、為替相場が円換算後の受取額に影響します。外貨で利益が出ていても、円高が進めば円換算後の受取額が減少することがあります。反対に、円安が進めば円換算額が増える場合があります。

また、次のような点も確認が必要です。

  • 円から外貨、外貨から円へ交換するときの為替手数料

  • 利息や償還金を受け取る通貨

  • 発行国の政治・経済情勢

  • 外国での送金、取引、資金移動に関する規制

  • 日本と現地の税制

「外国債券」という名称だけでは、取引通貨は判断できません。円建てで発行される外国債券もあるため、実際に受け取る通貨を商品説明書で確認します。

デュレーションで金利感応度を把握する

デュレーションは、債券から受け取る利息や元本の時期を考慮して、債券価格が市場金利の変化からどの程度影響を受けるかを把握するための指標です。

一般に、デュレーションが長い債券ほど、市場金利の変化に対する価格変動が大きくなります。修正デュレーションを使うと、金利変化による価格変化率をおおまかに次のように見積もれます。

債券価格の変化率
≒ -修正デュレーション×金利の変化幅

例えば、修正デュレーションが5の債券について、市場金利が1%ポイント上昇した場合、債券価格はおおむね5%下落すると推定されます。

-5×1%=-5%

これは単純化した概算であり、実際の価格変化を保証するものではありません。金利の変化幅が大きい場合や、発行体の信用状態が変化した場合などには、実際の価格変化との差が大きくなることがあります。

デュレーションは金利変動リスクを比べるための指標であり、信用リスク、流動性リスク、為替変動リスクなどを表すものではありません。