1.株式と株主の基本
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株式を持つことは企業へ出資すること
株式会社は、事業に必要な資金を集める方法の一つとして株式を発行します。投資家が株式を購入して払い込んだ資金は、企業の事業資金となります。
株主は企業の所有者の一人ですが、出資した資金を企業に直接返してもらう権利があるわけではありません。保有する株式を現金化したい場合は、原則として市場などでほかの投資家に売却します。
株主は、原則として引き受けた株式の金額を限度として責任を負います。これを「株主有限責任」といいます。企業の債務について、株主が個人財産から追加で返済するのが原則ではありません。ただし、投資した株式の価値がゼロに近づく可能性はあります。
株主が持つ三つの基本的な権利
株主の基本的な権利は、次の三つに整理できます。
議決権
株主総会に参加し、取締役の選任など、会社の重要事項に関する決議に加わる権利です。剰余金配当請求権
会社が剰余金の配当を行うと決めた場合に、配当を受ける権利です。残余財産分配請求権
会社が解散し、債権者への返済などを終えた後に財産が残った場合、その分配を受ける権利です。
これらは、一般に「株主の三大権利」と呼ばれます。ただし、実際の権利内容は、株式の種類、保有株数、単元株制度、会社の定款などによって異なります。株主の権利に関する基本的なルールは、e-Gov法令検索「会社法」で確認できます。
上場する国内株式の売買単位は、原則として100株です。この売買単位を「単元株」といいます。単元未満株では、配当を受ける権利があっても、原則として株主総会の議決権はありません。
権利を受けるには基準日を確認する
配当や議決権などの権利を受けるためには、会社が定める「基準日」に株主名簿へ記録されている必要があります。
株式は、売買が成立した日に名義の移転が完了するわけではありません。決済までに日数がかかるため、権利を得るには「権利付最終日」までに購入する必要があります。その翌営業日は「権利落ち日」と呼ばれ、原則として、その日に購入しても今回の権利は得られません。
基準日や配当条件は企業によって異なります。権利付最終日も休日などの影響を受けるため、実際の取引では証券取引所、証券会社、企業の公式情報を確認します。
株式から得られる収益と負担するリスク
株式から得られる可能性がある主な収益には、次のものがあります。
値上がり益
購入価格より高い価格で売却した場合に生じる利益です。キャピタルゲインとも呼ばれます。配当金
企業が利益などの一部を株主へ分配するものです。インカムゲインの一つです。株主優待
企業が一定の株主に自社商品やサービスなどを提供する制度です。法律上、すべての株式会社に義務付けられた制度ではありません。
株価の上昇、配当、株主優待の実施は保証されません。企業は、業績や資金需要などに応じて配当を減額したり、無配にしたりすることがあります。株主優待も内容の変更や廃止が行われる可能性があります。
2026年7月現在、個人が受け取る上場株式等の配当には、一定の例外を除き、原則として20.315%の税率で源泉徴収が行われます。申告方法によって取扱いが異なるため、詳しくは国税庁「上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」で確認してください。