パッシブ運用とアクティブ運用では目標が異なる

パッシブ運用は、特定の指数などに連動する運用成果を目指す方法です。「インデックス運用」とも呼ばれます。

例えば、TOPIXへの連動を目指す投資信託では、TOPIXの構成や値動きに近づくように運用します。ただし、信託報酬、売買費用、資金の流出入などがあるため、指数と完全に同じ結果になるとは限りません。

連動対象の指数と投資信託の収益率との差を「トラッキングエラー」などによって確認することがあります。

アクティブ運用は、銘柄の調査や選択などを通じて、ベンチマークを上回る成果や、独自の運用目標の達成を目指す方法です。

アクティブ運用では、次の点を確認します。

  • 何をベンチマークとしているか

  • どのような考え方で銘柄を選ぶか

  • 運用担当者や運用体制

  • ベンチマークと比べたリスク

  • 調査や売買に伴う費用

  • 過去の成果が継続的なものか

パッシブ運用とアクティブ運用のどちらが常に優れているという関係ではありません。目標、運用方法、費用、値動きの違いを確認します。

分配金は預金利息とは異なる

投資信託の分配金は、決算時に運用会社が分配方針などに基づいて支払う金額です。分配金の支払いは保証されておらず、金額が減少したり、支払われなかったりすることがあります。

分配金が支払われると、その金額に相当する資産が投資信託の外へ出ます。ほかの条件が変わらないと単純化すれば、基準価額は分配金の分だけ下がります。

例えば、分配前の基準価額が1万500円で、500円の分配金が支払われたとします。市場価格などに変化がないと仮定した単純な例では、分配後の基準価額は1万円となります。

1万500円-500円=1万円

投資家の口座には500円が入りますが、その一方で投資信託の価値は500円分減っています。分配金を受け取ったことだけで、500円の利益が新たに生まれたとは判断できません。

普通分配金と元本払戻金を区別する

追加型株式投資信託の分配金は、投資家ごとの個別元本との関係により、「普通分配金」と「元本払戻金」に分かれることがあります。

普通分配金は、分配後の基準価額が投資家の個別元本以上である部分に対応する分配金です。個人が課税口座で受け取る場合、原則として課税対象になります。

元本払戻金は、従来「特別分配金」と呼ばれていたもので、分配後の基準価額が個別元本を下回る部分に対応します。投資家自身の元本の一部が払い戻されたものと考えるため、原則として非課税です。その代わり、払い戻された金額だけ個別元本が引き下げられます。

同じ投資信託から同じ金額の分配を受けても、購入時の個別元本が異なれば、普通分配金と元本払戻金の内訳が投資家ごとに異なる場合があります。

2026年7月現在、公募株式投資信託の普通分配金や換金・償還による利益には、原則として20.315%の税率が適用されます。口座や申告方法、投資信託の種類によって取扱いが異なるため、個別の税務判断では最新情報を確認してください。

トータルリターンで運用結果を確認する

投資信託の運用結果は、現在の評価額だけでも、受け取った分配金だけでも判断できません。

投資家ごとの損益を大まかに把握するには、次の要素をまとめて考えます。

現在の評価額
+受け取った分配金の累計
+過去に換金した金額
-購入金額の累計

このように、値上がり・値下がりと分配金などを合わせた成果を「トータルリターン」といいます。

例えば、100万円で購入した投資信託の現在の評価額が92万円で、これまでに10万円の分配金を受け取ったとします。税金や手数料を考慮しない単純な例では、トータルの損益は2万円のプラスです。

92万円+10万円-100万円=2万円

分配金が10万円あっても、10万円すべてが利益という意味ではありません。評価額の変化と合わせて確認する必要があります。

分配金を自動的に再投資する場合も、再投資後の口数、税金、費用を含めて考えます。定期的に分配金を受け取りたい場合は、分配頻度だけでなく、元本の減少可能性や資金を使う時期も確認します。