1.外貨建て商品の損益を二層で考える
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円換算額は資産価格と為替で決まる
外貨建て商品の損益を考えるときは、次の二つを分けて確認します。
外貨で見た資産価格の変動
外貨と円の為替レートの変動
手数料や税金を考慮しない単純な円換算額は、次のように考えられます。
円換算額=外貨建ての時価×円換算に用いる為替レート
例えば、1万米ドルの外国証券を保有し、1米ドル150円で換算すると、円換算額は150万円です。
その後、外国証券の価格が10%上昇し、1万1,000米ドルになったとします。しかし、同時に円高が進み、1米ドル130円になった場合の円換算額は143万円です。
外貨建ての価格:10%上昇
円換算額:150万円から143万円へ減少
この例では、投資対象の価格は上昇していますが、円高の影響がそれを上回っています。実際の結果には売買手数料、為替手数料、税金なども加わるため、さらに差が生じることがあります。
円高と円安を交換できる金額で理解する
「1米ドル=150円」のような表示は、1米ドルと交換するために150円が必要であることを意味します。
このレートが1米ドル=130円になると、同じ1米ドルを以前より少ない円で交換できます。円の価値が相対的に高くなっているため、これを円高といいます。
反対に、1米ドル=170円になると、同じ1米ドルを得るために以前より多くの円が必要です。円の価値が相対的に低くなっているため、これを円安といいます。
米ドル建て資産を円換算する場合、一般には次の関係になります。
円安になると、外貨建て資産の円換算額を押し上げる方向に働く
円高になると、外貨建て資産の円換算額を押し下げる方向に働く
ただし、実際の損益は資産価格の変動やコストと組み合わせて判断します。
TTS・TTBと往復の為替コスト
金融機関で円と外貨を交換するときは、ニュースなどで示される為替レートがそのまま使われるとは限りません。一般に、次のようなレートが使われます。
TTS:利用者が円を外貨へ交換するときに用いられるレート
TTB:利用者が外貨を円へ交換するときに用いられるレート
TTM:TTSとTTBの基準となる仲値
通常はTTSがTTMより高く、TTBがTTMより低く設定されます。この差が、実質的な為替コストになります。
例えば、TTSが1米ドル151円、TTBが1米ドル149円であるとします。10万円を米ドルに交換すると、約662.25米ドルになります。それをすぐに円へ戻すと、約9万8,675円です。
為替相場自体が動かなかったとしても、往復の交換レートの差によって約1,325円減少します。これは手数料や端数処理を単純化した例ですが、外貨建て商品では「為替がどちらへ動くか」だけでなく、交換時のレート差も確認する必要があります。
外貨のまま使っても税務上の損益が生じる場合がある
外貨を円へ戻さなければ、常に為替差損益が確定しないとは限りません。保有していた外貨を使って、別の外貨建て資産を購入した場合などにも、税務上は外貨を取得したときと使用したときの為替レートを比較し、為替差損益を認識することがあります。
例えば、外貨預金から直接外貨MMFを購入する場合でも、取引内容によっては為替差損益の計算が必要です。具体的な考え方は、国税庁「外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益」で確認できます。
税務上の取扱いは取引方法や個人の状況によって異なることがあるため、実際の申告では税務署や税理士などへ確認してください。