4.先物・オプション・スワップは何のための契約か
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デリバティブは価格などから価値が決まる契約である
先物、オプション、スワップなどは、株価、金利、為替、商品価格などを基礎として価値が決まる取引です。これらを総称してデリバティブといいます。
デリバティブには、主に次のような利用目的があります。
将来の価格変動による損失を抑えるヘッジ
価格変動を利用して利益を目指す投機
市場間の価格差を利用する裁定取引
ヘッジはリスクを完全になくすことを意味しません。取引量や期限が実際の資産・取引と合っていない場合や、相場が想定と異なる動きをした場合には、新たな損失が発生することがあります。
先物取引は将来の売買を約束する
先物取引は、将来の一定の期日に、あらかじめ決めた価格で対象を売買する契約です。取引所で扱われる先物では、取引単位や決済方法、取引期限などが標準化されています。
先物の買い手と売り手は、どちらも将来の売買に関する義務を負います。買い手は価格が上昇すると利益、下落すると損失になるのが基本です。売り手はその反対です。
先物取引では、契約金額の全額ではなく、証拠金を差し入れて取引することがあります。そのため、レバレッジが働きます。相場が不利な方向へ動くと、追加証拠金が必要になったり、建玉が強制的に決済されたりすることがあります。
先物は、将来購入する原材料の値上がりに備える、保有資産の値下がりに備えるといった目的にも使われます。しかし、ヘッジ対象と先物の価格が同じように動くとは限らず、損失を完全に相殺できない場合があります。証拠金の基本的な仕組みは、日本取引所グループ「証拠金とは」で確認できます。
オプションは権利を売買する
オプション取引は、一定の期日または期間内に、あらかじめ決めた価格で対象を買う、または売る権利を取引するものです。
基本的な権利には、次の二つがあります。
コール・オプション:決められた価格で買う権利
プット・オプション:決められた価格で売る権利
権利を購入する人は、対価としてプレミアムを支払います。予想が外れた場合は権利を行使しない選択ができるため、買い手の最大損失は、原則として支払ったプレミアムに限定されます。ただし、プレミアムの全額を失う可能性があります。
一方、オプションの売り手はプレミアムを受け取る代わりに、買い手が権利を行使したときに応じる義務を負います。売り手の利益は受け取ったプレミアムが上限ですが、損失は大きく拡大する可能性があります。
オプションでは、対象資産の価格だけでなく、行使価格、満期までの期間、価格変動の大きさなどもプレミアムに影響します。「買い手は損失限定」という説明だけで、取引全体が安全だと判断しないようにします。買い手と売り手のリスクの違いは、日本取引所グループ「オプション取引のリスク」で確認できます。
スワップは将来の支払い条件を交換する
スワップは、金利や通貨などに関する将来の支払い条件を、当事者間で交換する契約です。
代表的なものには、次のような契約があります。
金利スワップ:固定金利と変動金利の支払いを交換する
通貨スワップ:異なる通貨の元本や利息の支払いを交換する
例えば、変動金利で借り入れている企業が金利上昇に備えるため、変動金利の支払いを固定金利の支払いへ実質的に変更する目的で金利スワップを利用することがあります。
スワップは当事者間で個別に契約されることが多く、契約相手が支払いを行えなくなる信用リスクがあります。途中で契約を解消するときの価格が分かりにくいことや、希望する時点で解約しにくいこともあります。
なお、FXで用いられる「スワップポイント」は、通貨間の金利差などを調整する受払いの名称です。デリバティブとしてのスワップ契約と同じものではないため、用語を区別して理解しましょう。