金価格は複数の要因によって変動する

金は、企業が発行する株式や債券とは異なり、それ自体が配当や利息を生み出す資産ではありません。主に市場での売買価格の変動によって損益が生じます。

金価格に影響する要因には、次のようなものがあります。

  • 世界の需給

  • 各国の金利や物価

  • 米ドルの為替動向

  • 中央銀行や投資家の売買

  • 地政学的な緊張や金融市場の不安

  • 日本円と米ドルの為替レート

国際的な金価格は米ドルで示されることが多いため、日本での円建て金価格は、金そのものの価格と為替の両方から影響を受けます。世界の金価格が変わらなくても、円安によって円建て価格が上昇することがあります。その反対に、金価格が上昇しても、円高によって円建ての上昇が小さくなる場合があります。

投資方法によって保有するリスクが異なる

金に関係する商品には複数の方法があり、同じ「金投資」でも仕組みは異なります。

金地金や金貨を購入する方法

金そのものを保有します。売買価格の差、保管費用、盗難・紛失、品質確認などが主な確認事項です。小さい単位では、価格に対する売買コストの割合が高くなることがあります。

純金積立を利用する方法

一定額ずつ金を購入します。購入手数料、年会費、保管方法、事業者の信用、現物として引き出す場合の条件や費用を確認します。

投資信託やETFを利用する方法

証券を通じて金価格への連動を目指します。信託報酬、売買手数料、金価格との連動のずれ、上場市場の流動性、為替ヘッジの有無などを確認します。金の現物を直接所有する場合と、法的・経済的な仕組みは同じではありません。

先物やCFDを利用する方法

証拠金を使い、金価格の変動を対象に取引します。レバレッジによって損益が拡大し、預けた証拠金を超える損失が発生する可能性があります。現物、積立、投資信託などとはリスクの形が大きく異なります。

金に関する税金は保有方法で異なる

個人が金地金を売却して得た利益は、原則として譲渡所得となり、給与所得などと合算する総合課税の対象です。

所有期間による基本的な違いは次のとおりです。

  • 所有期間が5年以内:短期譲渡所得

  • 所有期間が5年を超える:長期譲渡所得

総合課税の譲渡所得には、金地金以外の対象資産と合わせて年間最高50万円の特別控除があります。長期譲渡所得では、特別控除後の金額の2分の1が課税対象になります。

ただし、営利目的で継続的に売買している場合は、事業所得または雑所得になることがあります。また、金投資口座、投資信託、ETF、先物などは、金地金の現物売却とは税務上の取扱いが異なります。詳しくは、国税庁「金地金の譲渡による所得」を確認してください。

取得時の価格や手数料が分からないと、譲渡所得を正しく計算できないことがあります。購入時の領収書、取引報告書、手数料の記録などを保管しておくことが重要です。

複雑な商品は七つの質問で確認する

仕組債、デリバティブを組み込んだ預金、指数連動商品などは、複数の条件によって受取額や償還方法が変わることがあります。高い利率や限定的な好条件だけで判断せず、次の順番で確認します。

  1. 何に連動するか
    株価、為替、金利、商品価格など、損益を決める対象を確認します。

  2. どの条件で損失が発生するか
    価格が一定水準へ達した場合など、損失につながる具体的な条件を確認します。

  3. 損失はどこまで拡大するか
    元本までなのか、預けた金額を超える可能性があるのかを確認します。

  4. いつまで資金が拘束されるか
    満期、早期償還、契約延長などの条件を確認します。

  5. 途中で売却または解約できるか
    換金できない期間や、不利な価格での売却になる可能性を確認します。

  6. どのような費用がかかるか
    手数料、スプレッド、信託報酬、解約費用などを確認します。

  7. 誰の信用に依存するか
    発行体、取引業者、保証会社などが支払い不能になった場合を確認します。

これらの質問に対する答えを、自分の言葉で説明できない場合は、契約を進めずに資料を持ち帰ります。理解できない商品を利用しないことも、重要なリスク管理です。