はじめに

商品ではなく資産全体を考える

預金、債券、株式、投資信託、外貨建て商品には、それぞれ異なる特徴があります。しかし、一つの商品だけを見て「良い」「悪い」と判断しても、家計全体のリスクは把握できません。

例えば、値動きの大きい商品であっても、金融資産全体に占める割合が小さければ、家計への影響は限定的な場合があります。反対に、比較的安定して見える商品でも、同じ発行体、国、通貨などに資産が集中していれば、特定の出来事から大きな影響を受ける可能性があります。

そこで必要になるのが、保有資産を組み合わせて考えるポートフォリオと、資産の種類ごとの割合を考える資産配分です。

資産配分に唯一の正解はない

適切な資産配分は、年齢だけでは決まりません。資金を使う目的と時期、収入の安定性、負債、家族構成、価格変動への対応力などによって異なります。

分散投資も、損失をなくす方法ではありません。経済危機などでは、異なる資産が同時に下落することもあります。過去の収益率や統計指標が、将来も同じように続くとは限りません。

本講座では、特定の資産配分を推奨するのではなく、次の順番で考える方法を学びます。

  1. 保有資産の全体像を把握する

  2. 資産間の値動きの違いを確認する

  3. 資金の目的と使う時期を整理する

  4. 指標を使って特徴を比較する

  5. 生活や配分の変化に応じて見直す