5.見直しは予測ではなく整合性の確認
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相場変動によって資産配分は変化する
当初決めた資産配分は、相場変動によって時間とともに変わります。
例えば、預金と株式を50%ずつ保有していたところ、株価の上昇によって株式の割合が60%、預金の割合が40%になったとします。この場合、資産全体は当初より株価変動の影響を受けやすくなっています。
変化した資産配分を、あらかじめ決めた目標配分へ近づけることをリバランスといいます。上の例では、株式の一部を売却して預金へ移すなどの方法が考えられます。
ただし、目標配分に戻すことが常に必要とは限りません。生活状況や資金の目的が変わっていれば、目標配分そのものを見直す必要があります。
リバランスには複数の方法がある
リバランスには、主に次のような考え方があります。
一定の時期に確認する方法
年に一度など、あらかじめ決めた時期に資産配分を確認します。頻繁な相場予測に左右されにくい一方、確認時期まで配分のずれが大きくなることがあります。
一定の範囲を超えたときに確認する方法
目標配分から一定割合以上ずれた場合に見直します。配分の変化に対応しやすい一方、確認や売買の回数が増える可能性があります。
新しい入金や取り崩しで調整する方法
売却する代わりに、新たな積立資金を割合の低くなった資産へ配分する方法があります。生活費などのために資金を取り崩すとき、割合の高くなった資産から取り崩す方法も考えられます。
実際のリバランスでは、売買手数料、税金、最低取引単位、売却に必要な期間などを確認します。売却によって利益が確定すれば、課税口座では税金が発生することがあります。
生活の変化と相場の変化を区別する
資産配分を見直す理由は、大きく二つに分けられます。
一つは、相場変動によって構成割合が変わった場合です。この場合は、当初の目的やリスク許容度が変わっているかを確認します。目的に変化がなければ、目標配分へ戻すかどうかを検討します。
もう一つは、家計や生活の前提が変わった場合です。例えば、次のような変化が考えられます。
収入や働き方が変わった
結婚、出産、介護などで家族構成が変わった
住宅購入など新しい資金需要が生じた
負債が増減した
資金を使う時期が近づいた
許容できる損失額が変わった
保有商品の手数料や運用方針が変わった
生活の前提が変わった場合は、現在の配分を元に戻すだけでは不十分です。資金の目的、目標額、運用期間から改めて確認します。
見直しの記録を残す
資産配分を見直すときは、相場への感想だけで判断せず、変更する理由を記録します。
確認する内容には、次のものがあります。
資金の目的と必要になる時期
現在の資産額と構成割合
目標としていた構成割合との差
家計、負債、収入の変化
許容できる損失額の変化
保有商品の費用とリスク
売却した場合の手数料と税金
変更する理由と変更しない理由
「市場が不安だから」「最近上昇しているから」だけでは、資産配分を変更する理由として十分か判断できません。どの前提が変わったのかを言葉にすることで、短期的な相場変動と、家計上必要な見直しを区別しやすくなります。
見直しは、将来の値動きを正確に予測する作業ではありません。資産配分が現在の目的や家計状況に合っているかを確認する作業です。