1.利益の種類を取引の場面から整理する
- 閲覧する
利子は資金を預ける・貸すことから生じる
預貯金の利子は、金融機関へ資金を預けたことによって受け取る収益です。個人が国内で受け取る一般的な預貯金の利子には、原則として20.315%の税金が源泉徴収されます。
内訳は次のとおりです。
所得税:15%
復興特別所得税:0.315%
住民税:5%
この課税方法を源泉分離課税といいます。金融機関が税金を差し引き、原則としてそれによって課税関係が終了するため、預貯金の利子を確定申告へ含めることはできません。
例えば、税引前の預金利息が1万円の場合、税額は単純計算で2,031円となり、手取りはおおむね7,969円です。実際の税額には端数処理があります。
債券の利子も利子所得ですが、すべてが預貯金と同じ取扱いではありません。国債、地方債、公募社債などの特定公社債の利子は、原則として20.315%が源泉徴収されますが、申告不要とするほか、申告分離課税を選択できる場合があります。
預貯金と特定公社債の違いは、国税庁「利息を受け取ったとき」で確認できます。
配当は会社などから受ける利益の分配である
株式の配当は、会社が株主へ行う利益の分配です。配当の有無や金額は会社の業績や方針によって変わり、必ず支払われるものではありません。
一般の個人が受け取る上場株式等の配当には、通常20.315%が源泉徴収されます。そのうえで、一定の要件に該当する場合は、主に次の選択肢があります。
確定申告をしない
総合課税で申告する
申告分離課税で申告する
総合課税では、給与所得など他の所得と合算して税額を計算します。国内法人から受け取る一定の配当については、法人段階と個人段階の二重課税を調整する配当控除を利用できる場合があります。ただし、外国法人の配当や一部の投資信託の分配金など、配当控除の対象外となるものもあります。
申告分離課税を選択すると、上場株式等の一定の譲渡損失と損益通算できる場合がありますが、配当控除は受けられません。どの方法を選ぶかによって、税額だけでなく、各種控除、扶養判定、社会保険料などへ影響する可能性があります。
上場株式等の配当を申告する場合の基本は、国税庁「上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」で確認できます。
譲渡益は売却などによって実現する
保有する株式などの価格が購入時より上昇していても、売却していなければ通常は含み益の状態です。売却などによって損益が確定したものを実現損益といいます。
譲渡損益は、基本的に次のように考えます。
譲渡損益=譲渡価額-取得費-譲渡費用
取得費には、一般に購入代金や購入時の委託手数料などを含めます。複数回に分けて同じ銘柄を購入した場合は、税務上の取得価額を所定の方法で計算します。
上場株式等の譲渡益は、原則として申告分離課税の対象となり、税率は20.315%です。給与所得などと合算して累進税率を適用するのではなく、他の所得と分けて税額を計算します。
例えば、取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡益が10万円の場合、単純計算による税額は2万315円、税引後の利益は7万9,685円です。実際には、口座内の他の取引、損失、端数処理などによって税額が変わることがあります。
投資信託の分配金は元本の払戻しと区別する
投資信託の分配金は、決算時に投資家へ支払われる金銭です。分配金が支払われると、その金額に相当する分だけ投資信託の純資産が減り、基準価額も下がるのが基本です。
追加型の公募株式投資信託の分配金は、投資家ごとの個別元本との関係により、次のように区分されることがあります。
普通分配金:運用収益に相当する部分で、原則として課税対象
元本払戻金(特別分配金):投資元本の払戻しに相当する部分で、非課税
元本払戻金は、税金がかからない利益という意味ではありません。自分が投資した元本の一部が戻っているため非課税となるもので、その分だけ税務上の個別元本が引き下げられます。
分配金が多いことだけで、運用成績が良いとは判断できません。分配金、基準価額の変化、再投資の有無、費用を合わせて確認します。