4.NISAを制度として理解する
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NISAは利益を非課税にする口座制度である
NISAは少額投資非課税制度の愛称です。NISA口座で対象商品を取得した場合、一定の条件のもとで、売却益や配当・分配金が非課税になります。
NISAは金融商品ではなく、税制上の口座制度です。NISAを利用しても、次のような商品自体のリスクはなくなりません。
株価や基準価額の下落
発行体の信用悪化
為替変動
売却しにくくなる流動性の低下
信託報酬や売買手数料などの費用
2026年中の現行制度では、利用する年の1月1日現在で18歳以上の国内居住者等が対象です。NISA口座は1人につき1口座で、つみたて投資枠と成長投資枠は同じ金融機関で利用します。金融機関は所定の手続により年単位で変更できます。
なお、2026年度税制改正により、2027年1月から、つみたて投資枠の対象年齢が0歳から17歳にも拡大されます。未成年者については年間投資枠60万円、非課税保有限度額600万円など、18歳以上とは異なる条件が設けられます。制度の開始前後には最新の公式案内を確認してください。
二つの投資枠と上限を区別する
18歳以上が利用するNISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。二つの枠は併用できます。
つみたて投資枠
年間投資枠:120万円
投資方法:積立による買付け
対象商品:長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託やETF
成長投資枠
年間投資枠:240万円
対象商品:上場株式、投資信託など
一部の高リスク商品や長期投資に適さない商品は対象外
両方を利用した場合、年間投資枠は合計360万円です。年間投資枠は買付額で管理され、使わなかった枠を翌年の年間投資枠へ上乗せすることはできません。
非課税で保有できる総額である非課税保有限度額は1,800万円です。このうち、成長投資枠で保有できる上限は1,200万円です。つみたて投資枠だけで1,800万円まで利用することはできます。
非課税保有期間に期限はなく、制度自体も恒久化されています。現行制度の内容は、金融庁「NISAを知る」で確認できます。
売却すると総枠は翌年以後に再利用できる
NISA口座で保有する商品を売却した場合、非課税保有限度額の空きが翌年以後に復活します。復活する金額は、売却時の金額ではなく、その商品の取得価額である簿価です。
例えば、NISA口座で100万円分購入した商品が150万円に値上がりし、その全部を売却したとします。翌年以後に再利用できる非課税保有限度額は、売却額の150万円ではなく、取得価額の100万円です。
反対に、100万円で購入した商品を70万円で売却した場合も、翌年以後に復活する総枠は100万円です。
ただし、売却した年の年間投資枠が、その年のうちに復活するわけではありません。翌年以後も、その年ごとの年間投資枠の範囲内で購入します。
また、課税口座で既に保有している商品を、そのままNISA口座へ移すことはできません。NISAの非課税扱いを受けるには、原則としてNISA口座内で新たに買い付ける必要があります。
対象商品と非課税にならないものを確認する
つみたて投資枠で購入できるのは、金融庁の基準を満たして届け出られた一定の商品です。対象商品は変更される可能性があるため、金融庁「つみたて投資枠対象商品」で確認できます。
成長投資枠では、上場株式や投資信託などを購入できますが、次のようなものは対象から除外されています。
整理銘柄や監理銘柄
信託期間が20年未満の一定の投資信託
毎月分配型の投資信託
デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
同じNISA制度でも、金融機関によって取り扱う商品や手数料は異なります。銀行では通常、個別の上場株式を取り扱わないなど、口座を開設する金融機関による違いがあります。
NISA口座内の上場株式の配当を非課税にするには、配当金を証券会社の口座で受け取る株式数比例配分方式を選択する必要があります。発行会社から直接受け取る方法などを選ぶと、NISA口座で保有していても配当が課税されることがあります。
また、NISAで非課税になるのは日本国内の所得税・住民税です。外国株式や外国投資信託の配当などについて、外国で差し引かれる税金まで必ず免除されるわけではありません。
NISA口座内の損失は損益通算や繰越控除の対象になりません。利益が出たときの非課税だけでなく、損失が生じた場合の扱いも理解したうえで利用します。