日本のGDP統計を作成する機関

日本のGDP統計は、「国民経済計算」の一部として内閣府が作成しています。

国民経済計算は、GDPだけでなく、所得、消費、貯蓄、資産、負債などを体系的に記録した統計です。国際連合が定める国際的な基準に基づいて作成されているため、各国の経済規模を一定の基準で比較できます。

四半期ごとのGDPは、「四半期別GDP速報」として公表されます。英語の「Quarterly Estimates」を略して、QEと呼ばれることもあります。

公表日は基礎統計の日程などによって変わるため、最新の日程は内閣府の国民経済計算の公表予定で確認します。

1次速報と2次速報

四半期別GDP速報には、1次速報と2次速報があります。

1次速報は、その時点で利用できる基礎統計を使って早期に推計したものです。速報性が高いため、政府、企業、市場関係者などから注目されます。

2次速報は、1次速報の後に利用可能となった法人企業統計などを反映し、再推計したものです。

速報性を重視するほど、利用できる資料には限りがあります。そのため、1次速報と2次速報でGDP成長率や需要項目の数値が変わることがあります。

たとえば、1次速報で設備投資が増加していると推計されても、その後に公表された基礎統計を反映した結果、2次速報で減少へ修正される可能性があります。

したがって、1次速報はその時点での有力な推計値であり、確定した数値ではないことを理解しておく必要があります。

年次推計と基準改定

四半期別GDP速報の数値は、その後に公表される国民経済計算年次推計によって改定されます。

年次推計では、速報段階では利用できなかった詳細な統計を使用し、GDPや各構成項目をあらためて推計します。そのため、過去のGDP成長率がさかのぼって変更されることがあります。

さらに、数年ごとに基準改定が行われます。基準改定では、基準年の変更、新しい基礎統計の反映、推計方法の見直しなどが行われます。

経済活動の内容は時代とともに変化します。たとえば、ソフトウェア、研究開発、デジタルサービスなどの重要性が高まれば、統計にもその変化を適切に反映する必要があります。

このため、GDPは一度公表された後も改定される統計です。最初に公表された数値が、そのまま最終的な数値として残るとは限りません。

GDPを比較するときの確認事項

GDPの数値を比較するときは、少なくとも次の点を確認します。

  • 名目GDPか実質GDPか

  • 前期比か前年同期比か

  • 季節調整済みか原系列か

  • 暦年か年度か

  • 1次速報、2次速報、年次推計のどれか

  • どの基準年に基づく系列か

  • 実額か成長率か

  • 四半期の前期比か年率換算値か

暦年は1月から12月まで、年度は4月から翌年3月までを対象とします。同じ「2024年」と「2024年度」でも対象期間が異なるため、数値は一致しません。

また、異なる時点に公表された資料を比較すると、基準改定や過去数値の改定によって、同じ年のGDPが異なっていることがあります。

過去から現在までの推移を確認するときは、できるだけ同じ公表資料に掲載された、同一基準の系列を使用することが基本です。