経済成長率の基本的な計算

経済成長率とは、GDPが前の期間と比べてどれだけ増減したかを示す割合です。

名目GDPの増加率を「名目経済成長率」、実質GDPの増加率を「実質経済成長率」といいます。

基本的な計算式は次のとおりです。

  • 名目経済成長率=(当期の名目GDP÷前期の名目GDP-1)×100

  • 実質経済成長率=(当期の実質GDP÷前期の実質GDP-1)×100

増加額を使って、次のように表すこともできます。

  • 名目経済成長率=(当期の名目GDP-前期の名目GDP)÷前期の名目GDP×100

  • 実質経済成長率=(当期の実質GDP-前期の実質GDP)÷前期の実質GDP×100

たとえば、前期の実質GDPが500兆円、当期が505兆円であれば、実質経済成長率は次のようになります。

(505兆円÷500兆円-1)×100=1%

当期の実質GDPが495兆円へ減少した場合は、次のようになります。

(495兆円÷500兆円-1)×100=-1%

前期比と前年同期比

四半期のGDP成長率には、主に前期比と前年同期比があります。

前期比は、直前の四半期と比較した増減率です。

たとえば、2026年4~6月期のGDPを、2026年1~3月期と比較します。直近の経済変化を捉えやすい一方、一時的な要因の影響を受けやすいという特徴があります。

前年同期比は、前年の同じ四半期と比較した増減率です。

たとえば、2026年4~6月期のGDPを、2025年4~6月期と比較します。季節による違いを避けやすい一方、1年間の変化を示すため、直近の方向転換を捉えるのが遅れることがあります。

前期比と前年同期比では比較する期間が異なるため、一方がプラスでも、もう一方がマイナスになることがあります。

季節調整の役割

経済活動には、季節による一定の変動があります。

たとえば、冬には暖房需要が増え、年末には消費が増える傾向があります。年度末には公共工事や企業活動が集中することもあります。

こうした季節的な変動が残ったままでは、隣り合う四半期を適切に比較できません。そのため、四半期GDPの前期比では、季節的な変動を統計的に取り除いた「季節調整済み系列」が使われます。

一方、前年の同じ四半期との比較では、季節条件がおおむね共通しているため、季節調整をしていない「原系列」が使われることがあります。

季節調整値も一定の方法によって推計された数値です。新しいデータが加わると季節調整の結果が変わり、過去の数値が改定されることがあります。

四半期成長率の年率換算

四半期別GDPでは、前期比を年率に換算した数値も公表されます。

季節調整済みの四半期GDPを使う場合、年率換算の基本式は次のとおりです。

年率換算値={(当四半期のGDP÷前四半期のGDP)の4乗-1}×100

たとえば、四半期の実質GDPが前期比0.5%増加した状態が、その後も1年間続くと仮定した場合、年率換算値は次のようになります。

{1.005の4乗-1}×100≒2.0%

四半期の前期比がマイナス0.5%の場合、年率換算ではおよそマイナス2.0%になります。

ただし、年率換算値は、実際に今後1年間その成長率が続くと予測したものではありません。現在の四半期の変化率を、比較しやすいように1年分へ機械的に換算した数値です。

前期比の変動が小さくても、年率換算すると数値が大きく見えることがあります。ニュースで年率換算値を確認するときは、元になった四半期の前期比もあわせて確認することが大切です。