GDP成長率の内訳を示す寄与度

GDP全体の増減を理解するには、個人消費や設備投資など、どの需要項目が成長率を押し上げたのか、または押し下げたのかを確認する必要があります。

そのために使われるのが寄与度です。

寄与度は、各需要項目の増減がGDP成長率を何%ポイント押し上げ、または押し下げたかを示します。

たとえば、実質GDP成長率が2%で、各需要項目の寄与度が次のようになっていたとします。

  • 民間最終消費支出:プラス1.2%ポイント

  • 民間企業設備:プラス0.5%ポイント

  • その他の項目:プラス0.3%ポイント

各項目の寄与度を合計すると、実質GDP成長率の2%になります。

寄与度は「%」ではなく「%ポイント」で表すことが一般的です。GDP成長率そのものと、その内訳である寄与度を区別するためです。

寄与度を読むときの注意点

寄与度がプラスであれば、その項目はGDP成長率を押し上げています。寄与度がマイナスであれば、その項目はGDP成長率を押し下げています。

輸入はGDPの控除項目であるため、寄与度の符号に注意が必要です。

輸入が増加すると、ほかの条件が同じであればGDPを押し下げる方向に働きます。反対に、輸入が減少すると、計算上はGDPを押し上げる方向に働きます。

ただし、輸入の増加が国内需要の強さを示している場合もあります。寄与度のプラス・マイナスだけで、経済にとって好ましいかどうかを判断することはできません。

また、実際の連鎖方式によるGDP統計では、所定の方法で寄与度が計算されます。そのため、各項目の増減額を前期のGDPで単純に割った数値とは一致しない場合があります。

端数処理などにより、寄与度の合計とGDP成長率にわずかな差が生じることもあります。

GDPの増減に占める寄与率

寄与率は、GDP全体の変化に対して、各項目がどの程度寄与したかを割合で示したものです。

基本的な計算式は次のとおりです。

寄与率=各項目の寄与度÷GDP成長率×100

先ほどの例では、民間最終消費支出の寄与率は次のようになります。

1.2%ポイント÷2%×100=60%

この場合、GDP成長率の60%に相当する部分を、民間最終消費支出が説明していることになります。

ただし、GDP成長率がゼロに近い場合、寄与率は極端に大きくなることがあります。

また、一部の項目がGDPを押し上げ、別の項目が押し下げている場合には、寄与率が100%を超えたり、マイナスになったりすることもあります。

したがって、寄与率だけでなく、GDP成長率と寄与度の実際の大きさもあわせて確認することが重要です。