10.GDPギャップ
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現実のGDPと潜在GDPの差
GDPギャップは、現実の実質GDPと潜在GDPの差を表す指標です。「需給ギャップ」や「アウトプットギャップ」と呼ばれることもあります。
潜在GDPとは、労働力、資本、生産性などの供給構造を前提として、中長期的に持続可能と考えられる経済活動の水準です。
基本的な計算式は次のとおりです。
GDPギャップ=(実質GDP-潜在GDP)÷潜在GDP×100
たとえば、実質GDPが505兆円、潜在GDPが500兆円であれば、GDPギャップは次のようになります。
(505兆円-500兆円)÷500兆円×100=1%
この場合、GDPギャップはプラス1%です。
プラスのGDPギャップ
GDPギャップがプラスの場合は、現実の需要が経済の供給力を上回っている状態を示します。この状態をインフレギャップと呼ぶことがあります。
需要が供給力を上回ると、商品やサービスが不足しやすくなります。また、企業の人手不足が強まり、賃金が上昇する可能性があります。
このため、プラスのGDPギャップは、一般に物価や賃金の上昇圧力が強まりやすい状態と考えられます。
ただし、GDPギャップがプラスであれば、必ず物価が上昇するわけではありません。為替相場、資源価格、企業の価格設定、生産性なども物価に影響します。
マイナスのGDPギャップ
GDPギャップがマイナスの場合は、需要が経済の供給力を下回っている状態を示します。この状態をデフレギャップと呼ぶことがあります。
需要が不足すると、商品やサービスが売れにくくなります。企業が生産を減らしたり、設備投資や雇用を抑えたりする可能性があります。
このため、マイナスのGDPギャップは、一般に物価や賃金に下落圧力が生じやすい状態と考えられます。
ただし、輸入物価の上昇などによって、GDPギャップがマイナスでも物価が上昇することがあります。
推計値としての注意点
潜在GDPは、実際に直接観測できる数値ではありません。労働力、資本ストック、生産性などの統計を使い、一定の前提に基づいて推計します。
そのため、次のような注意点があります。
推計する機関によって数値が異なることがあります。
推計方法の変更によって過去の数値が変わることがあります。
GDPの改定に伴ってGDPギャップも改定されます。
潜在GDPを最大生産能力と単純に考えることはできません。
短期的な物価変動をGDPギャップだけで説明することはできません。
GDPギャップは、経済全体の需要と供給の関係や、物価にかかる圧力を考えるための参考指標として利用します。