ポートフォリオと資産配分の違い

ポートフォリオとは、保有している金融資産の組み合わせを指します。預金、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式、投資信託、外貨建て商品などを、全体として捉える考え方です。

資産配分は、ポートフォリオを構成する資産の種類と割合を表します。アセットアロケーションとも呼ばれます。

例えば、金融資産が合計500万円あり、その内訳が預金300万円、債券100万円、株式100万円であれば、資産配分は次のようになります。

  • 預金:60%

  • 債券:20%

  • 株式:20%

この割合によって、金利、株価、為替、物価などが変動したときに、資産全体がどの程度影響を受けるかが変わります。

個別の商品を選ぶことを銘柄選択といいます。資産配分と銘柄選択は別の判断です。株式を20%保有すると決めることと、その20%でどの株式や投資信託を保有するかを決めることは、分けて考えます。

商品名を実質的な資産へ置き換える

保有商品の名称を並べるだけでは、資産の偏りを見落とすことがあります。投資信託を複数保有していても、すべてが同じ国や同じ株価指数に連動していれば、実質的には似た資産を重ねて保有している可能性があります。

全体像を把握するときは、商品名を次のような資産の性質へ置き換えて整理します。

  • 預貯金などの流動性の高い資産

  • 国内債券

  • 外国債券

  • 国内株式

  • 外国株式

  • 不動産投資信託などの不動産関連資産

  • 金などの実物資産に連動する商品

  • その他の外貨建て商品やデリバティブ

投資信託の場合は、名称だけで判断せず、実際に何へ投資しているかを目論見書や月次報告書などで確認します。バランス型投資信託は、一つの商品内に複数の資産が含まれているため、それぞれの構成割合へ分解して考えると全体の姿が分かりやすくなります。

リターンは金額と収益率を区別する

リターンとは、投資によって得られた収益を表す言葉です。利息や配当などによる収益をインカムゲイン、売却価格と購入価格の差による収益をキャピタルゲインといいます。

手数料や税金を考慮しない単純な収益率は、次のように計算できます。

収益率=(受取利息・配当+売却価格-購入価格)÷購入価格×100

例えば、100万円で購入した資産を105万円で売却し、保有中に2万円の配当を受け取った場合、収益率は7%です。

(2万円+105万円-100万円)÷100万円×100=7%

実際の手取り額を考える場合は、売買手数料、信託報酬、為替コスト、税金なども考慮します。また、異なる期間の収益率を比べる場合は、1年間当たりに換算した年率かどうかも確認します。

ポートフォリオの期待収益率を計算する

期待収益率とは、将来得られると見込む収益率を、一定の前提のもとで推計したものです。実際に得られる収益率を保証する数字ではありません。

ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を構成割合で加重平均して求めます。

ポートフォリオの期待収益率=各資産の構成割合×各資産の期待収益率の合計

例えば、次のような仮定を置きます。

  • 資産A:構成割合60%、期待収益率2%

  • 資産B:構成割合40%、期待収益率6%

このポートフォリオの期待収益率は3.6%です。

60%×2%+40%×6%=3.6%

これは計算方法を理解するための単純化した例です。期待収益率の前提が変われば、計算結果も変わります。また、期待収益率が同じポートフォリオでも、組み合わせる資産によってリスクは異なります。